カルチャー

「このままでいいのかな」を、キャリアの武器に変える。異動意向調査『サキュミル』の全貌

「このままでいいのかな」を、キャリアの武器に変える。異動意向調査『サキュミル』の全貌

佐藤 里緒菜(さとう りおな)

経営管理本部 ヒューマンリソース2部

新卒でサーキュレーションに入社し、約6年半にわたり新卒採用を担当後リーダーとしてマネジメントを経験。その後、海外現地法人での営業経験、コンサルティングファームでの人事経験を経て、サーキュレーションに再度参画。現在は組織開発とキャリア採用を担当。

サーキュレーションは、すべての人を「消費される資源」ではなく、「経験と知見を有する資本」と捉えています。そして、一人ひとりが持つ経験や知見を最大限に活かし、時間や場所、組織の枠を超えて力を発揮できる、そんな「新しい働く価値観」を人や経営になじませ、「知」がひとところに留まらず、めぐっていく仕組みを創ることに挑戦しています。そのような社会を実現する上では、「知がめぐる仕組み」×「知の最大化」が必要です。

「知がめぐる仕組み」を創る存在として、同じ志を持つ社員一人ひとりが可能性を開花させ、能力を発揮し続けられる環境創りに取り組み、どんな時代でも活躍できる「プロフェッショナル」を育んでいきたいと考えています。その一環として社員一人ひとりが自分の意志(Will)に向き合い、キャリアを自ら選び取っていくための制度をいくつか用意しています。その一つとして2026年5月より運用開始したのが、異動意向調査「サキュミル」です。

今回は、サキュミルの制度設計・運営を担当する佐藤里緒菜さんにインタビューを実施しました。自身もサーキュレーションに新卒入社後にキャリアの踊り場を経験し、その後マネジメントを経験し、転職後に海外での営業、コンサルティングファームでの人事経験を経てサーキュレーションに戻ってきたという、キャリア選択しています。制度の中身はもちろん、佐藤さん自身のキャリアの歩みや、担当者としての想いまでたっぷり伺いました!

キャリアの踊り場で気づいた成長を実感し続けることの難しさ

ーーまずは里緒菜さんご自身のキャリアについて伺えたらと思います。サーキュレーションに新卒入社されてから今に至るまで、キャリア形成に悩む瞬間はありましたか。

2017年に新卒でサーキュレーションに入社した当時は、純粋に「ビジョンと会社が好きだから、何でもやります」という気持ちでした。何をやるかよりも、会社のビジョン実現に自分の時間を使いたい、という感覚に近かったです。当時は新卒の配属部門はコンサルタントのみだったので、私もコンサルタントをやるつもりで入社したんですけど、入社1週間後に「新卒採用担当をやってほしい」と言われました。そこから当時の責任者とマンツーマンで新卒採用に向き合う日々が始まり、気づけば6年半ぐらい経過していました。

最初の2〜3年は本当に楽しくて、無我夢中でやっていましたが、ある時期から少しずつ「このままでいいのかな」という感覚が芽生えるようになりました。

ーそれはどんなタイミングだったんでしょうか?

新卒採用の実務に慣れてくると、採用目標人数は増えてもあまり業務に新鮮味がない状態になっていきました。オペレーションの効率化など、とにかく同じことをできるだけ早く行う働き方になっていて、非連続な成長実感が湧かなくなっていったんです。「このまま何年もこの延長線上にいたらどうなるんだろう」と、漠然とした不安を感じるようになりました。

その時期は、誰かに相談するというよりは、とにかく自己研鑽に走っていました。「何か形に残るものを」と思って取得したのが、キャリアコンサルタントの国家資格です。リクルーター業務の延長線上でイメージできる、自分にとって実績になりそうなものを考えた結果でした。
ちょうどそのタイミングで、22卒採用では大きな成果を出すことができました。それを機に「リーダー昇格試験を受けてみないか」という話をいただき、プレイヤーとしての成長だけでなく、マネジメントへの挑戦というフェーズに入っていきました。

その後、ライフイベントで一度会社を離れる決断をし、2社を経験する中で、大きく2つの気付きがありました。1つは、経営者も意外と迷っていて、完璧じゃないんだということ。小さな組織だからこそ明確な戦略を描き切る前に、目の前の状況に応じて意思決定しながら進んでいく必要もあるし、昨日言っていたことが今日変わることもある。それを間近で見て、経営の意思決定に当事者意識を持って向き合える人事になりたいという想いが強くなっていきました。
もう1つは、研修を売る営業を経験する中で、新卒採用と営業には実は近い部分が多いと気づいたことです。職種をまたいで活きるポータブルスキルがあるんだ、という発見でした。

改めて「ビジョンに直球で向き合いたい」「経営者に深く向き合う人事でありたい」という2つの想い。この2つを抱えていたタイミングで、サーキュレーションに戻ってきました。だからこそ、中長期でキャリアを築くことや、自分のWillに向き合うことの大切さは、誰よりも実感してきたつもりです。

「新しい働く価値観を、よりはやく、人と経営になじませる」の最先端を目指して

ーサーキュレーションに戻ってこられてから、サキュミルの担当になったのはどういう経緯だったんですか?

打診をもらったというのが最初のきっかけではありますが、自分自身、直近の3年間でサーキュレーションを含めて3社経験してきました。また、ちょうどキャリアコンサルタントの資格更新の時期とも重なっていて、キャリアについて考える機会が多かったので、「ぜひやりたい」と自然に思えました。

ーサキュミルという制度自体には、どんな想いが込められているんですか?

社員をポジションで扱うのではなく、一人のメンバーとして向き合う、という考え方がベースにあると思っています。例えば「会計スキルがあるから経理をやってください」ではなく、「この人に何を任せるか」を考える。この発想は、実は日本の雇用形態の良さでもあると感じています。サーキュレーションを離れている間に海外での仕事も経験しました。そうした中で、ジョブ型雇用のリアルな世界を体感しました。スキルがマッチするから働く、合わなければ辞める、という世界を見て、それはそれで合理的ではあるものの、弊害もあると感じたんです。

一つは、できることにしか機会が与えられないため、人が長期的に育ちにくいということ。もう一つは、会社としての一体感やカルチャーが育ちにくいということです。だからこそ、本人を主軸にしたキャリア選択を通じて会社も成長していく、という仕組みを構築できたらすごくいいなと思いました。

サキュミルを通じて「サキ(未来)をミル」

ーーあらためて、サキュミルについて教えてください!

サーキュレーションでwillをもった皆さんが、「サキ(未来)をミル」機会になれば良いなと思っています。

サーキュレーションが実現したい世界観である「世界中の経験・知見が循環する社会の創造」というビジョンそのものが、Willが明確であることを前提にした個人の働き方だと思っています。正社員も派遣もフリーランスも、様々な働き方がある中で、あえて「社員」という選択肢を選んでいることに、自覚的であってほしい。会社としてもそれを体現する仕組みを創りたいし、社員自身にもそこに自覚的な人たちであってほしい、という考え方です。

だからこそ「サキュミル」はメンバー起点で、自身の中長期的な異動意向を表明することが可能であり、組織都合による異動だけでなく、個人の「意志ある挑戦」を起点とした機会提供を行います。経験の厚みや幅を広げながら、より高い価値を発揮できるプロフェッショナルへと成長していける環境を整えることが目的です。

フローとしては、社員から異動意向の申請を受け付けたあと、私が一人ひとりと面談を行います。大きく分けると2つのアプローチがあるかなと思っており、「ここに行きたい」という明確な異動先の希望を持っている人と、「なりたい姿になるには今の部署だけでは難しいが、どのように異動先を考えるべきかも相談したい」という人の2パターンです。

特に年次の浅いメンバーだと「キャリア・アンカー」と言われるキャリアにおいて自分が大事にしたい軸がまだ定まっておらず、可能性が広い分、一つに絞ることへの怖さを感じやすいのかもしれません。当社は平均年齢が30歳のため年次の若手メンバーも多く「一つを選んだからといって、他の可能性がすべてなくなるわけではない」という話をよくします。むしろ、今の仕事に熱中できていないことの方がリスクで、そこで得た経験は必ず後で活きる。だから、「今、目の前の仕事に一生懸命に取り組むことがむしろ未来の可能性を広げる」という話をするようにしています。

ー明確な希望のみならず、相談から可能なのですね!面談をする上で佐藤さんが大切にしていることはありますか。

はい、異動意向調査ではあるんですが、職種やミッションそのものよりも、「本人のWill(意思)を本質的な部分で会社と合意をとる」ことが大切だと考えています。例えば「この職種がやりたい」という希望があった際に、その職種の何に魅力を感じ、なぜ挑戦したいのかを、一緒に掘り下げていく感じです。

そうすると意外と、「元々希望していたポジションじゃなくてもいいかもしれない」「このポジションだけが選択肢じゃない」ということに、本人も気付いていくケースが多々あります。それが、本人にとって新たな発見になっていたら嬉しいなと思っています。

「中長期のキャリア形成」を可能にする、サーキュレーションの組織づくりを

ー「異動意向を会社に伝えたら、逆に不利にならないか」と心配するメンバーもいると思います。実際のところどうなのでしょうか?

まず開示範囲について明確にお伝えしておきたいのですが、「サキュミル」はタレントマネジメントにおける重要な情報と捉えておりますので、会社としてしっかりと受け止めたいと思っています。ですが、上長に伝わることでキャリアが阻害されるのではという不安もあるかと思います。そちらに関しては一切口外をいたしませんので安心していただけたらと思います。

また、希望をすべて約束できるわけではありませんが、「サキュミルで伝えておいて損はない」という状態は作りたいと思っています。自分のWillやキャリアの希望は、自分だけで考えていると見えている範囲に限りがあることもあります。一方で、会社側も本人の想いや志向を知ることで、これまで見えていなかった個人の可能性に気づけることがある。お互いに情報を開示し合うことで、新しい可能性に気づける対話の機会にしたい、というのが根本にある考え方です。

ーサーキュレーションにはキャリアに関する新たな気づきを得ることを目的に、フォロワーである人事担当者(HR担当執行役員、HR担当部長等)に率直な気持ちを相談できる「キャリトーク」もありますが、「サキュミル」とはどう使い分けたら良いですか?

違いは大きく2つあります。1つは時間軸です。「キャリトーク」は、今の仕事や足元のモヤモヤにどう向き合うかを含めて相談する、比較的短期的な場。一方で「サキュミル」は、数ヶ月〜5年を見据えた、中期〜長期の時間軸で話をする場です。次にポジションが変わる可能性があるタイミングまでに準備しておきたい、というイメージに近いかもしれません。

もう1つは、「相談」なのか「意思表明」なのかという違いです。「サキュミル」は異動意向調査なので、悩みのみを話す場というよりは、自分のWill(意思)を明確に伝える「表明」の場として使ってほしいと思っています。今そのポジションがあるかどうかに関わらず、本人のWill(意思)が強くあるなら、ポジションを生み出すことも含めて検討するという前提で発足しています。

ーサキュミルを通じて、メンバーにはどんな経験をしてほしいですか?

まずは、Will(意思)や、それを実現する手段がクリアになる経験にしてほしいということ。もう1つは、そのWill(意思)に向かっていく過程で、今のミッションとの向き合い方に、プラスアルファの意味づけを持ってもらえたら嬉しいなと思っています。例えば「将来的に人事を経験したいけど今は営業をしている」という人がいたとしても、その営業の経験は絶対に人事に活きるはずです。今の仕事を「人事になるために何ができるか」という文脈で捉えてもらえたらいいなと思います。

ー最後に、この記事を読んでいる方に向けてメッセージをお願いします。

どんな経験も無駄なものは一つもない、と思っています。スティーブ・ジョブズの「connecting the dots(点と点をつなぐ)」という考え方のように、どうつながるか分からない経験が、後から見ると星座のように繋がって、何かの形になっていることは非常に多いと思うんです。それができるかどうかは、アンテナの張り方次第だと思っていて、だからこそ、自律的にキャリアを考えてもらいたいと思っていますし、もし迷っている部分があるなら、サポートしていきます。

サーキュレーションは、CIRCUIZMにもある通り「変化を生み出す」組織です。最先端の領域にいるからこそ、予期せぬ変化に直面することもあれば、自ら変化を創り出して行く局面もあると思います。ある意味ではカオスな状況の時もありますが、そのカオスすら楽しめるかは、結局自分の捉え方次第だし、カオスすら活かしてキャリアアップできるかどうかも自分次第だと思っています。

だからこそ捉え方を一緒に考えることで成長角度は上がっていくのではないかと思っています。スキルだけではなく、キャリア観も含めて一緒に成長していける組織でありたい、そのための一つの仕組みとして、「サキュミル」も実施できたらと思っているので、メンバーには積極的に使って欲しいと思います!

また、サーキュレーションにはこのようなキャリアを支援する仕組みも用意していますので、少しでも興味を持ってくださった方の応募をお待ちしています!

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