1人の人生に本気で向き合い、
変化を創り出す当事者集団に

MURAKAMI RYOTA

常務執行役員 データマネジメント 兼 新規事業担当

村上 亮太

MURAKAMI RYOTA

早稲田大学大学院機械工学専攻を修了後、ボストン コンサルティング グループに入社。大企業の新規事業立ち上げ支援や組織再編/ダウンサイジングなどのプロジェクトに従事。その後同社を離れ、妻と共に世界60ヶ国を旅する。帰国後、次のキャリアを考える中で創業前のサーキュレーションと出会う。経営者や専門家など実業に基づく経験・知見が豊富なプロフェッショナルを活用して経営支援を行うビジネスモデルに共感し、サーキュレーションの創業に参画。新規事業開発管掌としてテクノロジーを活用した新規事業の立ち上げに従事。

「1」という数字の重みに向き合い、
1人の人生を徹底的に想像する

サーキュレーションの立ち上げメンバーとして参画を決意した経緯を教えてください。

前職であるBCG(ボストンコンサルティンググループ)には新卒で入社しました。学生時代は「1人の人が本当に悩んでいること」に寄り添い、解決する職業に就きたいと思っていました。最初は医者や教師などが思い浮かんだのですが、経営者も1人の人間であると考えたときに、経営課題は「経営者個人が本当に悩んでいること」だと捉え、経営コンサルタントになるべくコンサルファームを選びました。

BCGにて4年勤めたのち、妻と2人で、兼ねてからの夢だった世界一周もしました。帰国後、次は0から事業を作る経験がしたいと思い、まず環境を知るためにスタートアップを無償で手伝いながら今後のキャリアを考えていたときに、BCGの同僚から立ち上げ直前のサーキュレーションを紹介されたんです。

サーキュレーション立ち上げメンバーとして参画を決意した理由は3つです。
1つ目は、当社のビジョン「世界中の経験・知見が循環する社会の創造」への共感。ずっと日本の未来への危機感を持っていました。日本は天然資源が少なく、人の力で成長してきた国ですが、労働人口は減少していく一方。日本がもう一度、元気な国になるために活用できる資源は、個人がそれぞれ持っている知的資産だと思っていたので、このビジョンには強く共感しました。

2つ目はビジネスモデルの魅力です。BCGでも、客観的なデータやロジックに基づき、第三者視点から意思決定を促していく醍醐味は感じていました。一方で、自分ではなく、顧客と同じ課題を当事者として解決したことのある人がコンサルをしたら、もっとよい結果を出せるのではないかとも感じていました。当社に登録いただいているプロ人材は、経営者や事業会社の第一線で活躍していた当事者です。自分自身と同じ課題を抱える経営陣の気持ちに寄り添うことができ、実行フェーズにも強いプロ人材がプロジェクトベースで課題解決ができるのは、コンサル時代に自分が「もっと変革の最後まで寄り添えたらいいのに」と思っていたことが実現されると感じました。

3つ目はやはり、創業メンバーの熱意ですね。これだけの熱量を持つ人間と一緒にビジネスを作ってみたい、と思いました。

村上さんは現在、新規Webサービスの企画をされていますが、仕事や組織作りで大事にしていることを教えてください。

これはコンサル時代から変わらず持ち続けている信念ですが、「1」という単位を大切にすることです。
ビジネスにおける「1」はただの数字ではなく、1つのプロジェクトであったり、1人の人であったり、1秒であったりしますが、その数字の裏にあるストーリーをカラー映像で再生できるほど想像するようにしています。

BCGで入社2年目の時に、企業の立て直しのために約3,000人をリストラするというプロジェクトにアサインされたんです。当時は経験も浅く、リストラそのものへの実感や想像が足りていませんでした。ある時、Excelでリストラ対象が「13人」と表示された数字の小数点がどうなっているか、先輩に聞かれた時、元の数式がわからなかったため「多分繰り上がっています」と答えてしまったんです。先輩から「その数字が繰り上がるか、繰り下がるかで、1人の人生が変わるんだぞ!」と厳しく叱られました。当然のことです。その時ようやく、私はExcel上の「1」が1人の人生を表す「1」なのだと理解しました。以来、絶対にこの「1」の背景にある1人の人生、価値を忘れてはいけないと強く心に刻んでいます。

同様に、自分の初めてのお客様も、当社に期待をしてくださる数千社のお客様も変わらない大切な「1」社ですし、当社に何人新しいメンバーが入社しようと、創業メンバーと同じ「1」人です。「1」という数字が持っている意義や価値は、他があるからといって薄まるものではないという意識をメンバー全員が持つ組織作りを心がけています。

ビジョンに共感し、共に同じ方向を目指せてこそ
会社は何倍にも強くなる。
プロ人材と本気で社長目線で提案する難しさとやりがい

サーキュレーションのコンサルタントとして印象に残っている事例はなんですか?

現在は、Webサービス部を管掌していますが、創業当初はコンサルタントとしてお客様と向き合っていました。その当時のご支援の中で、あるITベンチャーの子会社での支援は印象的でしたね。その会社は勢い良く成長する段階で、中途採用で幹部の採用もしていたのですが、その幹部たちが親会社やその会社の今までの戦略を無視した形で事業を進めようとしていました。結果が出ていればいいだろうというスタンスで、組織がバラバラになっていたんです。

当時のCOOからご相談いただき、私とプロ人材との3人で徹底的に会社の方向性を議論したのを覚えています。既に社内では、なんとか目線を合わせたいと話し合いや施策は進んでいたのですが、なかなか改善が難しい状況でした。組織の中で会社の方向性を無視して自分本位に動いてしまう幹部がいると、他の社員も引きずられて組織の統制が取れなくなります。
幹部と適切にコミュニケーションをとりながらも辞めてもらうか、態度を急変させるしかないという重いプロジェクトになりました。

COOも私もプロ人材も、自分自身がその会社の社長だと思いながら意見を出し合い、30名ほどいた社員を見て組織図もゼロから作り直しました。結局、幹部は1人を残して辞めてもらい、残った1人は新たに引き上げた若手幹部のメンバーについてもらって自己変革を期待する、ということになり、組織は急激に良い方向に回復していきました。当時のCOOは現在、上場した親会社の社長にもなっています。

このプロジェクトもそうですが、企業側の担当者やプロ人材はもちろん、提案する私たちコンサルタントも全員、「自分が社長だ」と思って話をしなければならないと思っています。実際はかなり難しいことですけどね。
私が当社の新卒の訪問に同行したときに必ず問いかけていたことがあります。「今日の提案、明日自分がこの会社の代表を任されて、全社員の前で『今日からこの会社をこうします』ってプレゼンできるか?」です。
自分が社長を任されたとして、自分の言葉として説明する覚悟があるか、そこに覚悟や想いがあれば、中身が拙くとも伝わるはずです。

村上さんが思うサーキュレーションの強みはどこにあるのでしょうか。

ビジョンと人です。
さっきの事例もそうですが、結局、人が100人集まって生まれる力の大きさは社員の目線が合っているかいないかでかなり変わります。一人ひとりの社員にある程度自由や裁量権を持たせて、伸び伸びした組織を作っていけるのは、ビジョンに共感し、それを目指せている前提あってこそです。サーキュレーションではこれが高いレベルでできているので、そこは本当に強みだと思っています。
創業期も「ビジョンと人です」って答えてましたね。創業してから数年が経ち、事業も組織も大きくなって、私もそれを心から実感しているところです。

もう1つ事業の強みとして挙げるならば、新領域をやっているからこそ蓄積されているデータです。
サーキュレーションの事業領域の特性上、これだけ様々な企業の経営課題が集まる会社は貴重です。さらに、「人」、特にプロ人材の評価のデータが集まっています。この2つはかなり重要な情報です。

よくコンサルタントは医者に例えられますが、サーキュレーションに集まるデータが何を意味するかというと、「人間が何の病気になるか」という情報と、「それを治す医者のスキルや評価」の情報が取れている、ということなんですよ。これは当社がプロシェアリング領域のリーディングカンパニーであるからこそ取れている情報でもあるので、他社と比較したときの明確な強みになると思っています。

スペシャリストが増えていく社会で、
変化に強く、変化を創り出せる集団に

サーキュレーションではこれからどんな人と働きたいですか?

基本的には、能力というよりもスタンスが重要かなと思っています。特に私が管掌しているWebサービス領域はそうですね。

まず大前提として、この先も企業の短命化と、ロボティクスとAIによる単純労働の置き換えが進んでいくと、企業はどんどんプロジェクト化していきます。当社は、そういった社会において専門性がより重視されるようになると考えています。それぞれの専門性に立脚して、会社勤めではなく独立する人が増える社会に変わっていく、ということです。けれど、私はこうした人材だけが会社に必要になるとは捉えていません。

今後、専門性が重要だから、自分も何かのスペシャリストになろう、というのはマスの動きで、恐らくどの領域の専門性を身につけるとしても、頭ひとつ抜きん出ていないと差別化がしにくい厳しい世界にもなると思います。
一方で、そういう専門性が重視される世界になれば、スペシャリスト集団を束ねる役割が今以上に必要になります。例えば、1万人の社員がいる企業が100個のプロジェクトに分割されたとします。そのとき、必要な専門性を持つ人は市場において枯渇しないかもしれませんが、100人のプロジェクトリーダーが不足するんですよ。

サーキュレーションでは、目の前の一つひとつの企業のフェーズや文化に最適なプロ人材を定義し、社外でのプロジェクトがうまくいくように伴走することが求められます。そこで必要なのは特定のスペシャリストではなく、プロ人材と共創できるプロジェクトリーダーです。
プロジェクトリーダーというのは、何か1つの専門性に特化するに留まらず、未知のものを新しく吸収し、その先に複数の専門性を持つ人たちを束ねてリードできる人のことです。
専門性もスタイルも異なる人から常に学び、それを面白いととらえられる人、自分なりのあるべき像を指し示せる人が、今後もサーキュレーションに必要な人材であると考えています。

あとは何より、覚悟が大事ですね。サーキュレーションのビジョンは社会課題への貢献を意識できて、共感はしやすいと思うんですよ。ただ実現するまでには時間がかかる。その実現までの長い道のりを共に歩むんだという覚悟は必要ですね。
特にWebの領域はそうです。Webサービスというのは、今すでに世の中で確立されて一般に型がある業務やフローを置き換えるような根本的な性質を持っています。例えば経理業務を効率化するなどもそうです。あるいは、需要がすごく大きくて、かつ自分自身で必要なものを選択できる人が多い領域です。ECや、個人のCtoC取引がそうです。

そこでいうと、当社の挑戦しているプロシェアリング領域において、企業が社外人材に発注する際のフローはまだ固まっていないし、少ない。また、必要な社外人材の要件定義を自身でできてWeb上からどんどんスカウトするという企業もまだまだ少ないです。Webサービスが成立するためには、このプロシェアリングが当たり前になるのを根気強く待つか、自ら強い意志を持って当たり前を創る、という覚悟を持たないといけないと思うんです。
当然、最初は身近な共感や自分の思いと結びついた共感から始まると思いますが、本当の意味で共感と覚悟を持っている人とはぜひ働いてみたいと思います。