#02

プロシェアリングで目指す地方創生のリアル

サーキュレーションはプロシェアリングで、日本の社会課題の一つである「地方創生」に取り組んでいます。サーキュレーションの地方拠点で、地方創生の最前線で活躍する3人に「プロシェアリングで目指す地方創生のリアル」について語ってもらいました。

Member

岡部 真章
(ベーやん)

プロシェアリング本部
プロシェアリングパートナーチーム リーダーコンサルタント

2017年 中途入社

久良木 太士
(きゅー)

プロシェアリング本部
九州・中国・四国支社 支社長

2014年 中途入社

横谷 尚祈
(横やん)

プロシェアリング本部
東北支社 支社長

2017年 中途入社

地元を元気にしたい。地方の可能性を広げたい。
それができる場所がサーキュレーションだと思った。

本日は支社で活躍するお三方に集まって頂き、プロシェアリングでの地方創生のリアルについて語って頂きたいと思います。
まず、自己紹介も交えて、なぜ地方支社での活動を希望されたのか皆さん伺えますでしょうか?

横谷

宮城大学を卒業した後、大手総合人材サービス企業に入社し、エンジニア派遣事業の立ち上げに携わっていました。

ずっと、故郷である仙台、そして東北の地方創生を実現したいという想いがあり、サーキュレーションのサービスであればそれができると可能性を感じ、転職を決めました。
面接を受けていた時から東北に支社を作りたいと代表の久保田さんに言い続けていましたね。

2018年から仙台市との産官連携プロジェクトを始めたことがきっかけで、東北エリアの企業様の支援が本格化しました。その後、念願叶って2019年9月に東北支社を立ち上げ、現在は支社長を務めています。

入社するときから東北を盛り上げたいという気持ちがあったんですね。きゅーさんはどうですか?

きゅー

新卒で大手総合人材サービス企業に入社し、私は大手総合人材サービス会社で、アルバイト情報メディアの営業から九州マーケットを担当、その後、

私も、入社時から九州支社設立を目標にしていました。

当時まだサーキュレーションは地方展開をしていないフェーズでしたが、地方創生の可能性を考えた時には九州、中でも福岡は外せない土地だと考えていました。
福岡という立地は、ASEAN中心とした商圏に近く、サーキュレーションのアジア展開を考えた時に必ずハブになる都市です。

また、九州は私の故郷でもあり、思い入れも強い土地でした。
2017年に九州支社を立ち上げ、現在は九州支社長を務めています。

ベーやん

確かに福岡市はテクノロジー関連のビジネスへの急速な投資を進めていますし、早期に挑戦すべきエリアですね!

私は、新卒で大手工業系専門商社に入社し、その後、会社の名前でなく自分の名前で勝負ができるように成長したいと思い、ベンチャーであるサーキュレーションに転職しました。

私の地元は鳥取なのですが、人気の職業と言えば、公務員一択という土地です。
もちろん、公務員は必要且つ重要な仕事ですが、このままでは地元の産業が活性化することは難しい。
それを変えていきたいと思っています。

そのために、まずは鳥取に最も近い支社である関西支社で、その中心である大阪からこのサービスを広め、鳥取まで波及させたいという気持ちで取り組んでいます。

地銀アライアンスを通じてサーキュレーションが提供できる価値とは。

サーキュレーションは地方金融機関様と提携をし、各エリアの企業様にプロシェアリングを広めています。
ベーやんさんは、以前提携先の地方銀行様へ出向し、行員の方々と一緒に活動されていましたよね?

ベーやん

今、地方金融機関では 従来の金融商品・関連ノウハウの範囲を超えた地元企業の経営課題解決支援に取り組んでいて、中でも中小企業の大きな課題である人材確保には注力しています。
プロシェアリングサービスは、従来通りの雇用型では対応が困難な地方企業にとって人材不足解決のために有効な手段であると金融機関からの評価を得て、全国35行の地域金融機関と提携に至っています。

私が出向していたのは、その一行ですが、行員の方々と一緒にプロシェアリングを提案する活動をさせてもらいました。一緒に動くことで行員の方々に、よりプロシェアリングへの理解を深めて頂くことができましたし、私自身も学ぶことが多かったです。

例えば、サーキュレーションのコンサルタントとして経営者の方々にお会いする時は、事業を成長させることがメインミッションですが、中小企業と銀行との関係性はそれだけに留まりません。
直接経営に関係しないことでも、行員の方々は把握されていて、ロジカルに解決方法を提示するだけではなく、地場の文化や他の企業との関係性も考えた上での付き合い方をされている。

どうやって企業、経営者との関係性をつくっていくか、地元に根付いて積み重ねてきたノウハウというか、肌感みたいなものもあって、それ体感できたのはとても貴重な経験でした。

きゅー

貴重な経験だね!

まだ、これから知られていく業界だからこそ「こんなサービスあったんだ!」と言ってもらえることが一つの私たちの価値で、ベーやんが第一号として出向してそこに携わったことはすごく価値があると思います。

首都圏と地方の情報格差が経営の違いを生む

東京を中心とする首都圏と地方、やはりビジネスにおける違いは大きいのでしょうか?

きゅー

はい、その違いは大きいと感じます。

地方創生と呼ばれる活動の焦点というのは、政令指定都市など、地方と言えどある一定の大きさの都市が焦点になることが多いです。
でも、実際もっと「リアルな地方」が日本にはたくさんあるし、そのエリアごとにやるべきことは違います。

私が九州にいて思う現状の課題は、首都圏と比較して地方には、圧倒的にITスキルを持った人材が不足していることです。

現代の多くの経営にはITは欠かせません。
例えば、長崎で獲れた魚を干物にして、ECで全国販売したいと思った場合、マーケターやWEBデザイナーが必要なんですが、長崎在住でそういったスキルを持っている人はごく僅かです。
運良く採用できても、事業として成り立たせるまでのノウハウを持っていないこともある。

また、ITインフラを整備しようと思っても、地方では中小企業向けのITサービスが少ないんですよね。
本来大手企業の支社で使うために作られたサービスを中小企業に導入しても、現場の社員の方々にうまくフィットせず無駄な投資になることも多いんです。

東京には、中小企業やスタートアップの数が多いので、中小企業向けのサービスもたくさんあって、適切な導入が可能です。

IT人材の数やスキルレベル、ITサービス事業者のラインナップの豊富さ、そしてそこから得られる情報量が全然違うんです。この差はやはり大きいと思います。

横谷

確かにそれはすごく感じます。

近年のITを活用した経営変革のスピードについていけないと感じられている地方の経営者様も多いようです。

何も最新のテクノロジーを導入する必要はないと思っていて、まずは簡単なツールを使うようになるだけでも、生産性がアップする企業様はたくさんあると思っています。

小さなことかもしれませんが、そういった地道な普及を続け、地方の企業様の変革の入り口を作ることも担当するコンサルタントの仕事だと思います。

ベーやん

一括りに地方といっても、地方の都市部と「リアルな地方」では違いを感じますね。

関西は完全に二極化をし始めています。
ビジネストレンドに敏感で情報感度の高いコミュニティに属する方もいる一方で、全くその必要性を感じられてない経営者もいらっしゃいます。

もちろん、大阪という大きな商圏があるのでそこで経営をして入れば、入ってきますが、東京に比べれば圧倒的な差が生まれますし、実際に手にした情報を経営に活かすという点でもノウハウがあまりないのが現状だと思います。

なので、お客様にお会いする時には、適切に情報を伝えること、経営に活かしていく支援をしていく必要があります。

サーキュレーションの地方でのコンサルティング

インターネットが発達した時代とは言え、首都圏と地方ではそのような違いがあるんですね。
サーキュレーションのサービスについては、どのように受け止められているのでしょうか?

ベーやん

そうですね、プロ人材を活用することに対する意識の違いは感じます。

まず、「人材活用は雇用のみ」という考え方は首都圏よりも地方の方が強いですね。
関西だと、遠隔での支援だったりWEB会議に抵抗を感じられるケースもまだまだあります。

きゅー

そうなんだね、その点は福岡は違うね。

実は、福岡では、WEBでのプロ人材との面談や遠隔での支援を断られたことはほとんどありません。
おそらく、福岡は福岡市を中心にIT導入に積極的で、WEBツールで遠隔でやりとりするということに対してあまり抵抗感を感じない企業が多いからではないかと思います。

あと、大阪などにはそうは言っても、都市部から離れた地方と比べると専門性の高い人材がいらっしゃると思うんです。
でも、本当に地方になってくると、何をするにしても、そもそも地元にプロ人材がいないので遠隔で活用するしか選択肢がないということがわかっているからかもしれません。

プロシェアリングサービスの説明をする際に、このエリアでは少なくとも現状ではプロを活用するなら遠隔であるという前提でこうやってプロジェクトを進めましょうと話をして、ご理解頂くようにしていますね。

「地方支社展開の3年間」は何を変えたのか。

支社展開をはじめて3年。手応えはいかがでしょうか?

きゅー

正直、まだまだ変革した、成し遂げたという感覚には程遠いですね(笑)

まず、フリーランス、雇用とは違う人材活用の仕方を知ってもらうところから始まりますから。
でも、だからこそ勝機があると思っています。

まだ競合も進出してきていませんし、サーキュレーションのことを知っている企業様も少ない。
だけど、お会いして話せば目から鱗じゃないけど、みなさんに興味を持って頂けるし、今の閉塞感を変えられる一つの方法として意識に残して頂けてるように思います。

横谷

地方に進出すること自体、私達のビジネスの効率だけ考えたら、合理的には見えないのかもしれません。

でも、絶対に地方の企業に必要なサービスだと思っているし、そのタイミングはもうやってくると思っているので、今から取り組んでいくことに価値があると思っています。

サーキュレーションが地方に支社をつくり、コンサルタントを配置して、地域に入り込みながら自分たちで説明して、使い方や今後のプランまで設計できることで、競合との差別化を図ることもできる。

この地道な取り組みを進めていく先に、やっと何かを変えられたって感じるんじゃないかと思います。

プロシェアリングを活用した地方創生。今後チャレンジしたいことはありますか?

ベーやん

地方でシニアのプロ人材の方々の活用を進めることが有用ではないかと考えています。

これまでのように自宅からの遠隔であれば知見を存分に活かして活躍することができる方や、中には、定年を迎えて地方移住を考える方もいらっしゃると思います。

その時に、地方に活躍の場があればそれは、そのシニアのプロ人材の方にとっても、地方企業にとっても良いめぐり合わせとなるはずです。

例えば、私が担当している50年続くバイオマス原料を作る企業様に、80代のシニアエグゼクティブの方がプロ人材として支援に入り、技術指導、新商品開発を支援されている事例があります。
最初は月に数日だけ顧問をされていたのですが、是非ともと請われて一年間フルタイムに近い形でプロジェクトに入られています。

その方から昨年「岡部さんとの出会いが私の人生に再び働くという生きがいを吹き込んでくれました」とお手紙をいただきました。
純粋に嬉しかったですし、年齢や住む場所が理由で「できない」ということはないんだなと思えました。

横谷

非常に勇気をもらえる事例ですね!

私は、ゆくゆくは首都圏のプロ人材が地方に活動拠点を持つことを推進していけたらと思っています。

仙台市とのプロジェクトで100年続く印刷業の会社様を支援しているのですが、ここではプロ人材に遠隔だけではなく、訪問もして支援をしてもらっています。

地方企業は人と人との関わりや信頼関係、アナログな関わりを重視する企業様が特に多いと感じています。プロ人材が地方拠点を持って活動できる体制をつくることで、ご支援できる企業の数やプロジェクトの幅はより広がっていくと思います。

地方にもこれだけやりがいのある仕事がたくさんあるということを知ってもらうためにも、今は地方での案件をどんどん創っていきたいです。

きゅー

今後の地方創生というテーマの話の中で何かを語る上で必要な要素は「事業承継」ですね。

今存在する中小企業の中には、今後黒字でも後継者がいなくて倒産する企業も増えてくると思います。この時に東京の会社がM&Aをしたら法人税が東京に集中することになる。
その時に地方は税収を支えることができなくなり、行政破綻もあり得てしまう。

M&Aいう選択肢もいいのですが、本質的な地方創生という意味では、その地域で、自分たちで利益を生み出せる会社が必要になります。
そのような会社を一社でも多く支援していきたいですね。

未来のサーキュレーションを創る

それでは最後に一言お願いします!

横谷

話せばきりないくらい、地方創生はやることが多いです。

今、自分が毎日東北エリアを走り回っても、まだまだ要望にすべて応えられる段階じゃない。
私の目標は地方に強い会社をつくることで、人々の所得が増え、個人消費が広がり、雇用も増えていく
という状態。
でも、今のままのスピードではやりたいことに全然追いつきません。

ベーやん

そうだね。私もそう思います。

日本の労働問題を本気で解決したい、解決する必要があると思った人には是非サーキュレーションに来てほしいです。

特に、自分の地元や地方を元気にしたいと思う人はぜひ支社を盛り上げてほしいなと思います!

きゅー

少子高齢化の時代において、企業がなくなり、雇用がなくなり、貧富の格差が大きくなるリスクが高まる中で、その課題を解決できるのがサーキュレーションだと思っています。

新しいビジネスインフラを創り、日本を元気にする仕事をしたいという人がいたら、ぜひサーキュレーションというチームを選んでもらえたら嬉しいです!


※注釈
2020年2月以前に取材した内容となります。2022年8月より、久良木は九州・中国・四国支社 支社長となりました。また、岡部はプロシェアリングパートナーチーム リーダーコンサルタントとなりました。